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手ごわいうつ病問題は、対話で解決する

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うつ病から自由になる、というのがU2plusのテーマです。 うつ病になると思考、感情、体調がコントロールできず、周囲とコミュニケーションを取ることが難しくなり、社会との関わりが難しくなり、経済的に困り、、、つまりは不自由な生活を送るわけです。 如何に自由を取り戻して、しなやか(したたか)に生きていくか。そのサポートをU2plusが担えたらいいなあと思っています。 まずは「回復方法の選択肢が少ないよね」「認知行動療法が受けにくいよね」という問題に対してのソリューションを今開発しているわけですが、うつ病は他にも多くの問題を引き起こしています。 つまり、U2plusの試みだけでは全く足りません。 今アダム・カヘンの「手ごわい問題は、対話で解決する」という本を読んでいます。一見解決不可能に見える、複雑な要因が絡み合った問題に対して、「聴く」「話す」という手法で解決への道筋を見つけるというのがテーマです。 ファシリテーター(合意形成にむけて議論をスムーズに調整する任を負った人)である筆者は、南アフリカのアパルトヘイトやスペインのバスク紛争に対して、「あらゆる利害関係者と共に、聴いて、話す」ことでよりよい未来をつくろうとしてきました。 時に成功し(アパルトヘイト)、時に失敗(パラグアイの腐敗政治)しますが、この手法にはとても興味を覚えました。 心を開いて、聴いてもらい話すことは確かに大きな力があると感じるからです。 U2plusは起業チャレンジで受賞した資金で設立されました。 その最終審査で、ぼくがビジネスプランとは直接関係のないことを心を開いて語ることで、会場が一体になった瞬間がありました。 真剣に仕事に打ち込んでいたこと、その結果うつ病になったこと、仕事を失ったこと、結婚の話がなくなったこと、同じような人が日本には大勢いること。
アダム・カヘンが定義する、「対話が必要な手ごわい問題」は以下の要素が含まれるものです。

・物理的複雑性 原因と結果が空間的、時間的に離れていること。

→うつ病は景気の後退や結婚生活のあり方、雇用制度、福祉制度などが要因となり得ます。

・生成的複雑性 未来が予測不可能で未知なるものであること。

→経済発展のあり方、移民政策や医学的進歩などの展開によってうつ病問題は変化し続けるでしょう。

・社会的複雑性 関わる人たちが、異なる見解を持っていること。

→うつ病であるぼくと、精神科医、うつ病社員を多く生み出す企業の経営者は異なる見解をもっているでしょう。 「対話による解決」は社会的なうつ病問題に対しても有効なのではないでしょうか。 いつかうつ病に関わる様々な人たちー患者、その家族、精神科医、EAP企業、企業経営者、セラピスト、厚生労働省、経済産業省、ソーシャルワーカー、NPO、人事労務担当者が集い、ゆったりとしたソファーに座って、「心を開いて」様々な意見を話し、聴き合う。 そして日本のうつ病問題に、包括的で実際的な一定の方向性が生まれる。 そんな夢想をしてしまいます。