うつ病の情報なら|ゆううつ部 by U2plus

U2plusがお届けする、うつ病に関するアレコレ。

「うつ状態再び」で考えたU2plusの未来について

岡村靖幸の画像 ここのところ、ぼく自身がうつ状態になってしまいダウナーな日々を過ごしていました。 やっぱりうつ病が回復しきっていない状態で起業するのは難しいんだろうか。 会社も自分もお金無いなあ。人との関わりは素晴らしいものを生むけど、人と関わること自体がつらく感じてしまうなあ。 FacebookやTwitterを開きたくないなあ。 などなどとネガティブな事を考えつつ、寝過ぎてしまったり逆に全く寝れなくなってしまっていました。 本来ならここでベータ版が稼働しているU2plusをたくさん使って回復したいところなのですが、U2plusの代表である自分が書き込むとベータ版に参加していただいている皆さんを不安にさせてしまうのではないかと思うとなかなか書き込む気にもなれませんでした。 今は開き直ってしまいこんなブログを書いていますが。 その一方でうつ状態の時だからこそU2plusを色々と考えることもできました。 今後U2plusがどういうアクションを起こしていきたいのか、日本でうつ病になった人に対して、どんな未来を提供したいのかを漠然とイメージしていたので、今日はテキストにおこしてまとめてみたいと思います。 今U2plusが取り組んでいること、これから取り組みたいことなどが雑多になっていますが、こんな考えをベースに進めていきたいなと。 U2plusのファウンダーは誰も医療的な見方では専門家ではありません。 では、何を提供していくのか。

U2plusの未来:みんなをつなぐサービスでありたい。

 

当事者と専門のセラピストをつなぐ

通常のカウンセリング形態では1人の当事者と1人のカウンセラーをベースとしていますが、この形では現状は価格やセラピストの希少性から難しい。 そこでフレームとなるプログラムを用意してお互いの行動を限定した上で、複数の当事者と複数のセラピストをつないでいく。 これによって、移動やクリニックを探す労力を減らし、低価格で認知行動療法を提供していきます。

当事者同士をつなぐ

うつ状態の時は孤独感が強まります。 インターネット上では多くのうつ当事者の方がいますが、多くのサイトでは「つらいこと」「苦しいこと」にひっぱられる傾向があると思っています。 その価値は認めつつも、よりポジティブな方向へのコミュニケーションを取れる場所がひとつはあっていいと思うのです。 U2plusを利用している方同士でプログラムの利用の仕方を参照し合い、お互いの書き込みに対して「よくわかるよ」「それはとてもいいことだよね」とポジティブなコミニュケーションをつないでいきます。

セラピスト同士をつなぐ

U2plusでは専門のセラピストがお互いのアドバイスを参照することができます。 他の人がどのようなアドバイスをするかを数多く知ることで、研鑽に役立てることができます。 また他のセラピストに参照されることが前提のため、緊張感をもってアドバイスすることになると思います。 キャリアも職場も異なる方々が集まることでこれまでになかった場になるのではないでしょうか。

WEBカウンセリングと対面カウンセリングをつなぐ

インターネットによる認知行動療法は低強度セラピーと言われます。 数ヶ月間利用した上で回復が見られない当事者には、対面の認知行動療法カウンセリングを紹介する仕組みをつくりたい。 いろいろなコストが低いやり方から始めて、より強力な回復方法へとつなげていく仕組みにします。 その時にU2plus内でのアクティビティを知っている/ 知ることができるセラピストであればより適切なカウンセリングが可能になるのではないでしょうか。

当事者とうつ回復者をつなぐ

うつが続く時につらいのは「自分にはまともな未来がない」と思い込んでしまうこと。 この考えがどうしてもぬぐえず、日常の小さな希望をすこしづつ溜めては絶望と向かい合い、破れ、苦しい思いをします。 医者から「長くかかるかも知れないけど、よくなるから」と言われても毎日のようにつらい毎日を過ごしているとそうそう信用することはできなくなります。 段々と診察の時間も短くなりますし。 そこで色々な方の回復に至った過程を集めることを考えています。 休職や退職した方、高齢の方や学生、主婦や海外在住の人など、様々な人が回復しているという事実こそが希望を雄弁に語ってくれるでしょう。 さらにU2plus経験者の方にチュートリアルを施したうえで、U2plusの認知行動療法プログラム内で当事者の方にアドバイスをしていただくということも検討しています。 うつ病を経験した人が、今うつ病に困っている人に回復へのアドバイスを送る。 なにかが大きく変わる予感がしないでしょうか。

うつの家族と家族をつなぐ

うつの当事者も孤独ですが、サポートしてくれている家族もまた社会から取り残されるような孤独感を感じがちです。 健康に問題はなくても、うつ当事者のサポートをしつつ家事や経済問題に取り組む必要があり、その過程で当事者と同様「自分たちにはまともな未来がない」と思ってしまう可能性があります。 そこでうつに関わる家族会がサポートする側のケアや情報交換に有益な場所となります。 家族会は日本にいくつも存在しますが、だれでも参加できる程の数はないように感じています。 そこでU2plusが家族会の立ち上げ方法のサポートを行い、津々浦々で続々と家族会が立ち上がる状況をつくりたい。 いずれ家族会同士でも情報共有が起こり、よりよいサポート体制ができるようになるでしょう。 具体的には告知や自治体との協力やサイト制作などでお手伝いしていきたいと思っています。

リアル(企業、学校、産業医、うつ支援施設、クリニック)とネットをつなぐ

うつ病になるとサポートしてくれる様々な組織があります。(ぼくはクリニックだけでしたけど。) しかし企業の人事、産業医や学校の生徒相談室、病院やうつ支援組織、クリニックの間で情報の共有がほとんどされていません。 そのためうつ当事者自身が状況を判断しながら、あちこちに正確な情報を運ぶ必要があります。 これは非効率な上に、正確なサポートや判断が難しくなってしまいます。 うつ支援組織とU2plusの協力や、企業、学生相談室でU2plusを利用してもらうなど、複数の場をつなぐ役割を担う必要を感じています。 ネット上で回復への取り組みを行い、リアルな場で対人の相談をするサイクルが実現できます。

家族とセラピストをつなぐ

家族もまたセラピストからのアドバイスを必要としているのではないでしょうか。 「うつ病は伝染する」という表現があります。 うつ病当事者へのサポートによって、家族が燃え尽きてしまいうつ病を発症するケースのことをいうはず。 もちろん最初の当事者にとっても決していい影響は与えません。 逆に家族がよりよいスタンスでうつ当事者に向かうことで、当事者の回復を早めることができれば「−2が消えて+2になる。つまり、4点分の働き」という訳です。 当事者のアクティビティを知っているセラピストが相談をうけることで、より精度の高いアドバイスが可能になるはずです。 追)10/27(火)にうつ回復支援施設のリヴァさんと合同でセミナーを行います。 リアルの支援施設とインターネット認知行動療法サービスが組み合わさることでどんな効果が期待できるのか、実演を交えてご紹介します。 まだ残席があるようなので、詳細&お申し込みはこちらからどうぞ。 無料です。 https://sites.google.com/a/u2plus.jp/seminar/20111027_event